リノベーションと建て替え、どちらがいい?|リフォーム基礎学
- 投稿日:2022年 5月30日
- テーマ:リフォーム基礎学
こんにちは!滋賀のリフォーム店 匠工房の久保田晴菜です。今回は、リフォーム基礎知識についてお話ししたいと思います。
お家は住み続ければ住み続けるほど、味わい深くなり愛情も深くなりますよね。しかし、時間の経過と共に傷んでいくものでもあります。リフォーム箇所が広くなればなるほど、工事の規模も大きくなり費用もかさんでいきます。そういった状況のとき、お客様から「リノベーション」か「建て替え」かどっちがいいのか、ご相談をいただくことがあります。そこで今回は「リノベーション」と「建て替え」、それぞれのメリットデメリットを挙げながらお話ししていきたいと思います。
1.リノベーションとは
1-1.リノベーションとは
リノベーションは「つくり変える」という意味で、建物の基礎のみを残して、間取り変更や断熱強化・耐震強化まで行なうことをいうので、かなり大規模な工事となります。
詳しくはコチラの記事もご覧ください。
リフォームとリノベーションの違いって?|リフォーム基礎学
1-2.リノベーションのメリット
リノベーションのメリットには、次の5つが挙げられます。
①規模によってはコストが抑えられる
リノベーションがお家の一部に限定して施工することができるため、工事範囲が限定されるほどコストを抑えることができます。建て替えするほどの予算がない場合は、LDKのみや1階部分のみなど、生活基盤となるお部屋のみリノベーションされる方も多いです。
②ピンポイントでの改修で済む場合は、短期間の工事で済む
上記のようにお家の一部分のみリノベーションを行なうことによって、建て替えより短い工期で済みます。建て替えの場合は完成するまでに半年以上かかりますが、リノベーションはそこまでかかることは滅多にありません。ただし、お家全体のリノベーションを行なう場合は規模や工事内容によっては3カ月以上かかる場合もあります。
③固定資産税などは変わらない
リノベーションは当時建てられたお家に手を加えるため、増築をしない限りお家の広さや築年数は変わりません。そのため、お家にかかる固定資産税などの税金が高くなることもありません。
④大規模リノベーションの場合、ほぼ新築に近い状態にできる
お家全体をリノベーションすると基礎のみを残して全て新しくするため、ほぼ新築に近い状態にすることができます。加えて基礎まで解体するため耐震補強をしっかりした上で進めることができます。断熱性能も向上させることができるため、暮らしやすいお家にすることができます。
④思い入れのあるお家を残しつつ、住みやすくすることができる
長年住み続けて思い出がたくさんあるお家を解体するのは寂しいですよね。リノベーションなら柱や梁を残して露出させるなどして、既存のお家の面影を残しつつ暮らすことができます。受け継いだ家を解体するのは忍びないという方にオススメです。
1-3.リノベーションのデメリット
一方、リノベーションにもデメリットがあります。
①規模によっては新築より高くつく場合がある
お家の大きさや希望を叶えるリノベーション内容によっては、新築より総額が高くなる可能性があります。建て替えかリノベーションか迷っている場合は、見積もりで金額を比べてみた方がいいでしょう。
②シロアリの発見など、工事が始まってから問題が判明することがあり追加費用が発生する場合がある
床や壁を壊してみてから判明することというのは、意外と多くあります。シロアリや湿気による腐食など、お家を見ただけでは分からない部分まで予測することは難しいです。しかし、シロアリや腐食を放置することはできないため、追加工事が必要となるのです。こういった可能性があるということを予め覚えておいてください。
こちらの記事も合わせてご覧ください。
工事が始まって、初めて分かること|リフォーム基礎学
③建て替えに比べると間取りの自由度は限られる
既存のお家とは大きく異なった間取りにしたい場合、リノベーションでは難しい可能性もあります。リノベーションの場合、骨組みは解体せずに行なうため耐震性を考えて取り除けない柱があるなどの制限があるからです。既存のお家から最大限暮らしやすいお家を生み出すのがリノベーションの醍醐味とも言えますが、間取りの自由度という点に置いては建て替えより劣っていると言えます。
2.建て替えとは
2-1.建て替えとは
建て替えは、お家をすべて解体し、一から新築することをいいます。リノベーションと異なるのは、基礎すらも解体して、更地の状態にしてからお家を建てる点です。
2-2.建て替えのメリット
①間取りなどを自由に決められるので、既存のお家の不満はほぼ解消される
建て替えではリノベーションのように抜けない柱によって間取りが制限されることはありません。建築基準法に則った耐震基準を満たしていれば、どんな間取りのお家でも建てることができます。
②地盤調査を行なうことによって、地盤に対する安心感を得られる
既存のお家を解体して新たに家を建てる前には、地盤調査をしなければなりません。この調査は建物を建てる範囲の地盤が、建物を建てるのに十分な強さを持っているかどうかを調査します。不十分と認められた場合は地盤を補強して家を建てることになります。地盤沈下などに備えることができるのは建て替えの大きなメリットですね。
③駐車スペースやお庭などを確保することができる
建て替えをするにあたって、家の配置を変えることができます。例えば、家が大きすぎて駐車スペースなどが狭いケースでは、お家を小さくしたり配置を変えることによって駐車スペースやお庭を確保できるようになります。
2-3.建て替えのデメリット
①地盤調査費や解体処分費などがかかり、コストが高くつく
建て替えでは新築に必要な地盤調査費や建築確認等の手続き費用に加え、既存のお家の解体費用もかかります。30坪ほどのお家ですと150~200万円ほどの解体費用が必要なため、総額がかなり高額となってしまう可能性があります。
②固定資産税が上がる
建て替えでは、家が新しくなることによって固定資産税が高く評価されるようになります。今まで支払ってきた固定資産税より高額になりますので、請求が来て驚かないようにしましょう。
③土地の状況によっては、建て替え不可の場合がある
建築基準法では、土地に2m以上接していて、4m以上の幅がある道路がないと家を建てることはできません。したがって、この基準を満たしていない土地での建て替えはそもそもできないということになります。まずはご自宅が再建築可能な土地であるかどうかを確認しましょう。役所に聞くか、リフォーム屋さんでも調査してくれますので、確認してもらいましょう。
3.施工事例
大規模リノベーション | 建て替え |
【純和風家屋を太陽と風を感じる和モダン空間に】 | 【親子でこだわり抜いたお家】 |
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4.まとめ
・最終的にはお家の状態や、どういうお家に住みたいのか、そしてご予算によってリフォーム・リノベーションをオススメするか建て替えをオススメするかは変わってきます。